2018 年 74 巻 4 号 p. I_19-I_24
数値計算により地下水汚染等について検討する場合,透水係数や分散係数といった水理パラメータの設定が重要である.本研究では,硝酸性窒素による地下水汚染の生じている現場において,単孔式の多深度希釈試験を適用し,地下水の実流速や透水係数,分散係数を評価した.さらに,現場で得られた情報をもとに人工的に発生させた不均一場に対して単孔式の多深度希釈試験について3次元の数値計算を実施した.その結果,不均一性を考慮することで,現場で得られたトレーサー濃度低減の様子を再現できる可能性があることが分かった.