土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第62巻
移動観測に基づく都市街区内の微気候のアンサンブル平均特性
河本 陸稲垣 厚至神田 学Muhammad Rezza FERDIANSYAH石橋 耀二
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2018 年 74 巻 4 号 p. I_253-I_258

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抄録

 都市キャノピー層は不均一で複雑な幾何特性のみならず,人間活動(歩行者,車など)による非定常性も加わって,その中における観測結果の解釈は困難を極める.これに対し本研究では,移動観測を長期間に渡り同一経路で実施することで,非定常性を排除した都市街区微気候特性を明らかにすることを目的とする.移動観測に際しては携帯できる小型グローブ放射風速計を用いることで,負担の少ない観測を可能にした.これにより1日3回程度の観測を20日間継続し,計51回の観測を実施した.得られたデータを風向別に分け,アンサンブル平均した.これにより得られた結果として,(1)都市キャノピー内の風速は建物が作る街区形状のみならず,地形の影響も強く受けること,(2)気温に関してはより広域の気温変化と概ね一致するものの,地形及び街区構造の違いが空間的な偏差をもたらすことを示した.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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