土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第62巻
横断方向に粗度高さを変化させた横断勾配付き粗石魚道におけるウグイの遡上行動について
青木 宗之船越 智瑛吉田 翔平
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2018 年 74 巻 4 号 p. I_397-I_402

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抄録

 本研究では,横断勾配付き粗石魚道において,遊泳能力の低い未成魚(ウグイ)を用いて実験を行った(Case2 b).また,遊泳能力の低い未成魚の遡上率向上をも目指し,粗度高さを変化させた(Case3).
 その結果,Case2 bではウグイの遊泳能力の高いCase2 a(成魚)に比べて,遡上率Rrが10~30(%)程度低い傾向にあった.そのため,流量の大小に関わらず,魚道内に多様な流れ場を形成する工夫が必要である.粗度高さを変化させたCase3では,塞き上げ効果が働き水深が増加したため,流量の大小に関わらず魚道内に多様な流れ場が形成された.その結果,遊泳能力が低い未成魚でも遡上率Rrが60(%)以上となった.なお,本実験においてウグイが遡上した箇所の流速Vは,4BL~7BL(cm/s)程度であった.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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