2018 年 74 巻 4 号 p. I_403-I_408
近年,ウナギの産卵場が解明され,ウナギの生態に関する研究は進んでいるが,河川におけるウナギの遡上特性についてはほとんど解明されていない.特に,遊泳力の弱いウナギの仔魚や稚魚を対象としたウナギ用魚道の検討が必要とされている.本研究では,ウナギ用魚道内の突起物の直径と単位幅流量を系統的に変化させて,ウナギ未成魚の遡上特性に及ぼす影響について検討した.その結果,いずれの突起物の直径においても単位幅流量の増加に伴って,遡上率が増加傾向を示すことが判明した.また,単位幅流量および突起物の直径の増加に伴い,ウナギの蛇行度は増加し,ウナギの平均遡上速度が減少することが明らかになった.