抄録
本研究は,津波の遡上解析における検証作業等での利用を想定した,遡上痕跡データベースの作成方法を確立することを目的とし,2011年東北地方太平洋沖地震津波時の仙台平野における調査データを元データとしたデータベースの作成を行った.調査データに含まれる情報を最大限に有効活用できるよう,データの品質確認,分類,遡上解析に有用な付加的な情報の作成などを行い,約680点のデータを整備した.最後に,作成したデータベースの簡単な応用例として,数値シミュレーションによる浸水高分布の計算結果の検証に利用し,その有用性を確認した.