2018 年 74 巻 4 号 p. I_775-I_780
3次元温排水モデルにより2成層化した密度場の深層取水に関した水理実験を再現するには,定常となるために多くの計算ステップ数(Spin-up時間)が必要となる.そのためグリーン関数法(GFA)を用いて密度(塩分)の初期値を適切に推定して,定常状態になるまでの計算ステップ数を削減する方法を検討した.この方法により,初期流速を0として計算するよりも計算ステップ数が半分程度に抑えることができた.また,初期値と途中の計算結果(まだ定常となっていない)との差に,GFAの目的関数に関して計算ステップ数を抑える情報が含まれいていることが分かった.