2018 年 74 巻 4 号 p. I_787-I_792
大規模な津波が海岸堤防を越流する際には,堤防裏法肩近辺で顕著な圧力低下が発生し,それによって被覆ブロックが離脱・流出することが知られている.既往の研究では,このようなブロック離脱過程に関する検討はすべて水理実験により実施されてきており,数値シミュレーションを用いた詳細な検討は行われていない.そこで,本研究では,本ブロック離脱過程を忠実に再現可能な数値モデルの開発を行う.ブロックの挙動の追跡が容易な粒子法をベースに,負圧に起因する数値的不安定を緩和するための高精度化モデルを複数導入して,本現象の再現に最適な数値モデルを構築する.既往の水理実験と同様の条件で数値解析を実施し,実験結果より得られているブロックの離脱挙動を計算結果と比較する事で,本数値モデルの有効性の検討を行う.