抄録
ダム貯水池の堆砂の軽減等の目的で用いられる土砂バイパストンネルの維持管理や下流への土砂供給状態を評価するために,トンネル内の高流速中の礫流下量を把握することが求められている.そこで本研究では,15m/s程度の高速流を再現した水路実験により,プレート型センサを用いて粒径区分別礫流下量を推定する手法を考案し実験データによる検証を行った.推定手法には音響センサと振動センサを粒径に応じて使い分けるとともに補正を行っている点に特徴がある.検証の結果,礫流下量の総量としては,最大値で103%,平均値で26%の誤差で算出された.また,粒径区分についても一部課題はあるものの比較的良好な判別ができた.