2018 年 74 巻 5 号 p. I_1081-I_1086
山地渓流では流路幅が狭く,橋脚の無いワンスパン橋梁が多く存在する.橋脚を有する形状と比べて集積・閉塞が発生しにくいと考えられるが,土砂災害発生時には流木による閉塞事例が多く報告される.しかし,ワンスパン橋梁の流木閉塞の検討は殆どなく,被害軽減のためには発生要因や起こりやすさを明らかにする必要がある.本研究は,山地渓流のワンスパン橋梁への流木閉塞について,流木・橋・水理条件を変えて実験から検討した.橋に到達する際の流木濃度を指標として検討し,流木長と橋の余裕高の比率が小さいと閉塞には高濃度を必要とし,比率が大きいほど低濃度で閉塞が起こることを確認した.また,閉塞と非閉塞の混在領域が見られたため,ロジスティック解析により閉塞の起こりやすさを回帰曲線で示し,さらに閉塞確率を推定する手法を検討した.