2018 年 74 巻 5 号 p. I_1141-I_1146
河床材料が幅広い粒度を持つ河床では,流量条件によって選択的な土砂移動が生じる.このような場合の河床変動は,空隙率の変化を伴うとともに,移動しない材料による遮蔽効果を受けたものとなる.近年,ダムからの土砂還元等の選択的な土砂移動を伴う対策が散見されるようになってきており,対策によって生じる生物生息環境を含む下流河川への影響を評価するためには,このような河床変動状況を適切に評価することが不可欠である.本研究は,連続した河床材料を有する河床において選択的な土砂移動が生じる場を対象に,移動しない河床材料による遮蔽効果と空隙率変化を考慮した河床変動モデルの検討を行い,数値水路を対象に試算を行ったものである.