2018 年 74 巻 5 号 p. I_1147-I_1152
粒度分布に二峰性の特徴がある河床上の移動床問題に関する研究は,以前から多数の研究者により行われてきた.しかし,個別要素法などで粒子レベルの計算など様々な解析が可能となった現在も,ダム下流の河道の解析となると,河床材料,状態のとらえ方の問題から,簡素化してとらえたとしても粗粒化河床への砂の供給現象が解けていない現状がある.本研究では,一様粒径であれば浮遊状態で流下する条件で砂を礫床へ供給する実験を行い,これまでとらえられていない礫上を流下する砂の存在により水位が変化する現象などを明らかにした.
また,実験条件に合わせ,これまでの枠組みでの一次元河床変動解析を実施した.これにより,砂の流下現象の再現性を示し,少なくとも礫床が動かない条件では,礫間へ沈み込む砂量を調整し評価できれば,流下現象をある程度表現できることなどを示した.