2018 年 74 巻 5 号 p. I_133-I_138
本研究では岐阜県を対象に,アンサンブル気候予測データベース(d4PDF)現在気候データと地上雨量計による実観測データの極値を比較し,降雨継続時間t毎の簡易補正式を提案する.降雨継続時間tにおけるd4PDFのT年確率降雨量をDt’,地上雨量計のT年確率降雨量をGt’Tとすると,1時間降雨に対してはG1’T = 1.74 D1’T,168時間降雨に対しては G168’T = 0.74 D168’Tというバイアス補正値が得られた。RMSEはそれぞれ18.1mmと平均値の22%,168mmと平均値の30%程度であった.短期降雨に対しては十分,長期降雨に対しても斜面災害の予測目的には十分対応可能な精度が得られたと考えられる.