2018 年 74 巻 5 号 p. I_595-I_600
消波ブロック被覆堤を対象とした小型の水理実験において,マウンドや砂地盤をモデル化する際の留意点などを整理する取り組みとして,石かごを設置しなかった場合の既往の水理実験に対し,大規模実験と同様に石かごを設置した状況を対象とした水理実験を実施した.その結果,本実験における防波堤周りの流動場は,石かご未設置時の実験と同様であることが確認できた.また,石かご未設置時の実験では観測されなかったマウンド下部の砂地盤の侵食が,大規模実験と同様に生じることが分かった.このマウンド下部の砂地盤の侵食が,大規模実験と同程度の深さに至るまでに要した時間は,Froude則で換算した時間よりも長くなることが判明した.以上より,マウンド下部の砂地盤の侵食現象に関する時間縮尺について,さらなる検討が必要であることが示唆された.