2018 年 74 巻 5 号 p. I_787-I_792
河道内における側岸凹部は,豊かな生物の生息環境を創出するといったメリットを有する一方,止水域となることで水質悪化が懸念されるといった課題も有している.本研究では,流下方向に連続的に側岸凹部を配置した流れ場に関して,凹部アスペクト比が変化した際の流れ構造の変化について明らかにするとともに,凹部アスペクト比の変化がエネルギー収支に与える影響について検討した.流速計測にはPIV法を使用した.これにより,今回の実験ケースにおいては凹部の流下方向長さが長くなるほど対岸の側壁周辺まで凹部の影響が広がることを明らかにした.また,側岸凹部のアスペクト比を変化させた際に,乱れエネルギーの収支式における乱れの生成項の空間分布がどのように変化するかについても明らかにした.