土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第63巻
河川堤防の越水破堤・氾濫過程への混合粒径型モデルの適用性
楳田 真也根岸 和憲
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2018 年 74 巻 5 号 p. I_799-I_804

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抄録

 河床地形や河床材料は一般に複雑で,堤防本体や基盤材料も土・砂・礫で混成され,不均質である.本研究では,河床や堤防材料の粒度構成に着目し,破堤・氾濫解析への適用例が限られる混合粒径型モデルを用いて,洪水・越水破堤・氾濫過程への数値解析の有用性を検討した.千代田実験水路で行われた越水破堤実験を対象に,堤体材料の粒度分布に対応した3粒径集団の混合粒径モデルを適用した.その結果,破堤口の拡幅過程や河床・氾濫原の砂礫の侵食・堆積状況を概ね再現できた.破堤口の拡幅速度の再現には芦田・道上の流砂量式が適した.異なる粒径間の流れへの遮蔽・露出による相互作用を考慮するにはParkerらの式で係数を調整すると,破堤口の拡幅過程や河川・氾濫流量の変化を精度良く捉えられた.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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