土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第64巻
自己組織化マップに基づく広島県の豪雨災害を引き起こした気象場パターンの分析
西山 浩司横田 いずみ広城 吉成朝位 孝二
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_1201-I_1206

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抄録

 本研究では,自己組織化マップを適用し,九州地方北部と中国地方西部を対象に暖候期の気象場パターンと豪雨頻度の関連性を調べ,広島県で発生した40年間の土石流災害事例がどの気象場パターンに属するか調べた.また,広島県で記録的な災害になった平成30年7月豪雨の気象場の特徴を調べ,過去の類似事例の特徴と比較した.その結果,広島の災害事例は,共通して下層ジェットと湿舌の影響を受け,互いに類似する特徴を持っていた.また,平成30年7月豪雨の事例は,豪雨発生の可能性が高い気象場パターンに分類され,2日間もそのパターンに晒され続けた結果として記録的な災害へと繋がった.その類似事例に2009年7月24日の豪雨事例があり,両者に共通する特徴として,福岡県と広島県に災害をもたらしたこと,豪雨域が広範囲であったことが挙げられる.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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