2019 年 75 巻 2 号 p. I_1297-I_1302
本研究は,平成29年7月九州北部豪雨時の花月川の大臣管理区間を対象に,水位を境界条件とした洪水氾濫解析による粗度係数等のモデルパラメータの最適化と流量の推定を実施するともに,同推定流量に基づき,流域流出・洪水氾濫解析のモデルパラメータの最適化を実施し,既存の解析結果と比較することで,その有効性について検討したものである.本研究で提案した最適化手法は,降雨と水位情報により,河道の流量や流域流出・洪水氾濫解析のモデルパラメータの最適化を可能にするとともに,最大浸水域については同程度の精度を保ちつつ,流量・水位ハイドログラフの再現精度を向上させることが確認された.