土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第64巻
人口動態と地形に着目した水害常襲地の社会的特徴の考察
武藤 裕花渡部 哲史山田 真史知花 武佳
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_49-I_54

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抄録

 水害常襲地とその周辺部の社会特性を,地形特性との関係を考慮しながら解明することは,地域特性に応じた土地利用や治水整備のあり方を検討する上で重要である.本研究では水害常襲地を含む行政区の地形分類を行い,地形分類ごとの人口動態の違いを分析した.その結果,人口密度と人口変化率は地形分類ごとに偏りがあった.さらに,地形図判読や視察による詳細な検討により,中小河川・平地型では都市の拡大による浸水リスクの増大がある,中小河川・狭隘型では宅地から離れた人的経済的被害の少ない区域が浸水している,大河川・狭隘型と中間型では新たな治水整備の進行や遊水地的な利用による浸水域の形成がある,というように,地形分類ごとに水害常襲地の社会的特徴の違いがあることがわかった.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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