2019 年 75 巻 2 号 p. I_859-I_864
土石流を捕捉できる機能を持たせた新しいタイプの治山ダムを設置した広島市安芸区矢野東の梅河団地で2018年7月6日に発生した土石流について実施した現地調査の結果を考察するとともに,発生した土石流の数値シミュレーションを実施し,治山ダムの効果を検討するとともに,土石流の宅地への流入箇所と被害規模との関係について考察した.さらに,従来,土石流渓流からの土砂流出量は,最も規模の大きい単一の渓流からの土砂流出量のみを考えているが,複数の渓流からの土砂流出量を考慮する重要性について考察した.