土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第64巻
分級作用に伴う混合粒径土砂の空隙率と体積の変化に関する基礎的研究
林 勇輔内田 龍彦河原 能久
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_913-I_918

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抄録

 貯水池の堆砂機構や排砂された土砂が下流河道に与える影響を適切に評価するために,混合粒径土砂の河床変動解析法は不可欠である.しかし,粒度分布の変化に伴う空隙率と土砂体積の変化を考慮できる解析法は確立されているとは言えない.本研究では,このような解析法を構築するための現象理解と基礎データ取得を目的として,現地堆積土砂の空隙率と土砂体積が分級作用でどのように変化するのかを移動床水理実験によって調べた.その結果,分級作用によって空隙率は流下方向に大きくなり,本実験条件では堆積土砂体積は侵食土砂体積の約1.1倍に収束することを示した.さらに空隙率は,著者らのオイラー型粒子充填モデルにより再現できることを示すとともに,このモデルを用いた河床高の精度良い計算法を示し,その妥当性を確認した.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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