土木学会論文集B1(水工学)
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ISSN-L : 2185-467X
和文論文
半球粗度まわりの乱流構造が種子捕捉過程に与える影響に関する実験的研究
岡本 隆明松本 知将大石 哲也山上 路生岡崎 拓海
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2020 年 76 巻 1 号 p. 118-128

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抄録

 河床における大粒径の礫間には流砂だけではなく種子も捕捉され,礫床河川の樹林化の一因となることが指摘されている.そのため礫間での乱流による粒子捕捉メカニズムを解明することは河川管理や水工学上において重要である.そこで本論文では,礫河床をモデル化した半球粗度流れを対象として実験を行い,乱流構造と浮遊種子の挙動について検討した.半球粗度に高吸水性ポリマーを用いて粗度層内部の流れ場をPIV計測し,これまで計測が困難であった粗度内部の平均流および乱流構造の解明を試みた.また,種子投入実験ではトラッキング追跡した種子の軌跡とPIV計測結果を比較し,粗度近傍の流れ場が種子の輸送メカニズムに与える影響,粗度層内部で捕捉された種子が乱流構造によって流出するメカニズムについても考察した.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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