2020 年 76 巻 2 号 p. I_1021-I_1026
掃流砂間接計測では,掃流砂が河床へ衝突する際に発生する音響や振動を計測・解析することで,掃流砂量や粒径を推定する.取得信号を流砂量・粒径に変換する解析手法は多く提案されているが,信号処理としての扱いが少なく,数多く存在する信号処理技術を適用する余地が残っている.また,従来の回帰は河川ごとに実験・決定した係数に依存する例も多く,一般性を持つモデルが少ない.信号処理では,ノイズ除去,特徴量抽出,解析の3段階でそれぞれ適切な技術を選択することが重要である.本研究では,特に解析の精度と一般性の向上を目的とする.ここで,既往の流砂観測に関する力学的知見を加味しつつ,高い表現力を実現する手法としてガウス過程回帰を選択した.水路実験データに基づき設計したモデルは,取得信号,流速,水位という情報のみから,高い精度で現地実験の流砂量・粒径を推定することができた.