2020 年 76 巻 2 号 p. I_223-I_228
斜面表層からの降雨浸透および表面流出過程について,既往研究では,多くの場合で均一場が仮定されている.一方,現実の斜面では,透水性や保水性に関する物性値は空間的なばらつきや偏りを有し,局所的な湧水の発生など,斜面下部以外の領域からも浸透した降雨の表面流出が発生すると考えられる.本研究では,自己相似型の透水係数分布モデルによって3次元不均一場を生成し,様々な条件(透水性,表層厚,および降雨パターン)における表面流出量や流出形態について数値シミュレーションにより均一場と比較した.その結果,均一場を仮定した場合,表面流出量が過小評価される傾向があること,および斜面の透水性と豪雨時の表面流出率との関係は,対数関数で近似可能であることを示した.