2020 年 76 巻 2 号 p. I_403-I_408
多発する豪雨災害により,リアルタイム降水予測の重要性が高まっている.近年,深層学習を用いたシステムが,様々な分野で従来法の性能を覆している.そこで本研究では,前6時間の気象庁の解析雨量分布を入力すると,5段階の降水量カテゴリー分布を6時間先まで1時間間隔で予測するよう,深層学習モデルU-Netに学習させた.更に,降水量の多い事例は比較的少ないため,それらのデータを,回転,拡大することにより,移流方向や降水範囲の違う擬似的な降水現象を大量に生成することで,データ拡張を行った.その結果,擬似的な気象データを学習させたモデルは,学習させなかったモデルよりも,降水量の多い現象に対して精度良く予測できることが明らかとなった.