2020 年 76 巻 2 号 p. I_559-I_564
本研究は,降雨を外力とした流域流出・洪水氾濫解析の遺伝的アルゴリズムに基づく最適化手法を構築するとともに,同最適化法を平成29年7月九州北部豪雨時の花月川の大臣管理区間に適用し,既往の解析結果と比較することで,その有効性について検討したものである.本研究から,同手法は,(1)降雨と水位情報から流量の推定や流域のパラメータの最適化を可能にし,(2)水位・流量ハイドログラフの再現精度については既往の解析結果と同程度であるものの,浸水域の再現精度を向上させ,(3)経験的な手法に比べ最適パラメータを効率良く推定できることが確認された.