土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第65巻
蛇行河道における河床変動と護岸構造物の被災に関する実験と数値計算
奥田 醇清水 康行久加 朋子岩崎 理樹
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 76 巻 2 号 p. I_589-I_594

詳細
抄録

 国内の主な沖積河川において,高水敷や堤防を水流による侵食作用から保護するために護岸がのり面に設置される.基礎部周辺の洗掘による護岸崩壊が護岸の一般的な損傷例であるが,2016年8月の北海道豪雨においては,護岸背後の高水敷上に顕著な侵食が発生し堤防決壊の危険性が高まった事例が多数確認された.本研究では,護岸背後の高水敷侵食の発生機構を把握するために,蛇行河道を模した水理模型実験を行った.実験では被災箇所に似た高水敷侵食が観察され,流れが高水敷に越流する場所よりやや下流にて最も大きな侵食が発生した.実験の再現計算を行い高水敷侵食の詳細を検証した所,蛇行形状によって高水敷上の流砂量分布に大きな差が生じ,平面的に流砂量が不均衡になりやすいことが,大規模な高水敷侵食の要因の一つであることが示された.

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top