2020 年 76 巻 2 号 p. I_595-I_600
近年の洪水規模拡大によって,道路や鉄道橋梁の橋台背面盛土の浸食・流出が発生している.鉄道橋の橋台背面盛土の盛土のり面には翼壁と小規模な土留め壁(以下,腰土留め)が施工されているが,その被災メカニズムには不明な点が多い.本研究では,翼壁と腰土留めを再現した模型盛土に対する開水路実験を行い,崩壊挙動に関する基礎的な検討を行った.その結果,翼壁と腰土留めの境界部で盛土のり面の陥没が発生し,この陥没箇所を起点として盛土天端の崩壊の進行および翼壁と腰土留めが流出した.