土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第65巻
日本域高解像度地表水マップの作成と令和元年台風19号による浸水域の推定
瀬戸 心太
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_613-I_618

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抄録

 マイクロ波放射計による観測輝度温度から算出される冠水率を,日本国内の地理情報データと組み合わせて,ダウンスケーリングする手法を,日本全域(一部の島嶼を除く)に適用し,高解像度(1.5秒格子)の地表水マップ(GSMaWS)を作成した.Today’s Earth日本域版(TEJ)による洪水氾濫割合と比較すると,GSMaWSは,都市河川・北海道・一部の沿岸部の流域において,浸水想定区域内の浸水割合を過大評価しているが,東日本の流域では,TEJと正の時間相関がみられた.令和元年台風19号で浸水の発生した6つの流域について,GSMaWSとTEJによる浸水域の推定を,国土地理院の浸水域データを基準として,評価した.降水のピーク直後の10月13日未明の観測では,GSMaWSはTEJと同程度の精度で浸水域を推定しているケースがみられたが,降水が継続している場合GSMaWSの精度は低下することが示された.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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