2020 年 76 巻 2 号 p. I_805-I_810
本研究では,緩傾斜地という特徴をもつ栃木県杣井木川流域を対象に現地観測に基づいて構築した数値モデルを用いて浸水シミュレーションを実施し,田んぼダムの浸水被害緩和機能発揮における限界降雨を検討した.その結果,本流域では田んぼダムの効果が最大限発揮されるのは120年確率降雨(268mm/day)程度であることが明らかになった.また,700mm/day程度の降雨までは浸水被害量を軽減できるものの,降雨規模が大きくなると畦畔を越えて溢水する水田が増加し,田んぼダムの効果は低減することが確認された.