2021 年 77 巻 2 号 p. I_1075-I_1080
ゴム堰直上流部底層に発生する貧酸素水塊とゴム堰の倒伏にともなう貧酸素水の流出は下流河川環境に与える影響が大きい.そこで本研究では,現地水質調査結果の整理・分析を行い,貧酸素水塊の発生特性を明らかするとともに,数値解析モデルにより貯水池貧酸素化の現況再現を試みた.数値解析モデルの計算結果と実測値から求めた日回転率を比較した結果,ゴム堰直上流から中間域までの水深4m付近以深の領域に分布している貧酸素水塊がゴム堰の倒伏により下流へ流出しても環境影響が許容範囲となる出水時の日回転率は,おおむね0.3~0.8以上であることが示唆された.