2021 年 77 巻 2 号 p. I_1513-I_1518
近年,激甚化する豪雨災害を踏まえ,住民避難計画を考える上で必要な情報提供の手法や避難の判断基準となる指標が求められている.本研究では洪水氾濫時における住民の避難行動の適切なタイミングと避難方法について考察することを目的とし,埼玉県川島町を対象に想定される破堤点15地点に対する氾濫解析及び住民の避難解析を実施した.解析結果より,川島町の氾濫特性(長楽堤や自然堤防,安藤川からの内水氾濫の影響等)を把握すると共に,住民の避難可否についてシミュレーションすることで,川島町における氾濫特性に応じて避難が可能もしくは困難となる条件について把握した.また,解析結果やハザードマップに記載された情報を重ね合わせたリスクマップを作成することで,命を守るための取りうる避難行動を分類した.