2021 年 77 巻 2 号 p. I_25-I_30
本研究は,低平地河川での気候変動による背水影響を考慮した洪水氾濫時の農作物被害額の推定を目的とする.対象とした千歳川は石狩川の支川であり,低平地を流れる河川であるため,本川からのバックウォーターの影響を強く受ける,地形的に脆弱な地域である.同時に,流域内では北海道が多くのシェアを占める小麦や大豆をはじめとする農作物が生産されており,全国的なサプライチェーンへの影響も大きい.本研究では千歳川流域における農作物被害額を推定するため,d4PDFのダウンスケーリングデータから得られた降雨情報と農地の筆ポリゴンデータを使用した.結果として,現在および将来における農作物被害額を推定し,将来的には過去最大の被害額の1.2倍にのぼる被害が発生する可能性が示された.