土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第66巻
気候予測データベースd4PDFに基づく九州地方の降雨及び河川流量の将来変化特性について
田井 明於久 達哉鍋島 孝顕
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2021 年 77 巻 2 号 p. I_31-I_36

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抄録

 九州の一級河川4流域を対象に,地球温暖化による降雨および河川流量の変化特性について,d4PDF過去実験および4℃上昇実験結果のうち各年の48時間年最大降水量イベントに着目した解析を行った.48時間年最大降水量を記録する月別の割合は流域によって差がみられ,九州北部と比較して九州南部のほうが夏季の頻度が高くなることが示された.次に、温暖化により全流域で大洪水の頻度が増加することに加え,イベント毎のハイエトグラフのピーク数が全流域で減少傾向となり,一山洪水や二山洪水などを引き起こす豪雨イベントが増加することが分かった.本研究により,温暖化によって降水量の増加だけではなく,イベント内のハイエトグラフのピーク数が減少することで,洪水ピーク流量の増加が生じる可能性が示された.

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© 2021 公益社団法人 土木学会
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