2021 年 77 巻 2 号 p. I_277-I_282
洪水到達時間が1時間未満の小流域において十分なリードタイムを確保し,余裕をもった防災操作や避難行動を実施するためには,高精度で実用的な洪水予測モデルが必要である.本稿では予測情報として気象庁が配信している土壌雨量指数の予測値を用いること,予測学習により水位を予測する深層学習モデルを構築することを提案し,宮ケ瀬ダム上流域にある中津川水位観測所地点(流域面積42.37km2,洪水到達時間1時間未満)を対象として予測精度を検証した.その結果,土壌雨量指数の現況が予測値と大きく乖離しない限り,6時間先までの予測水位を高精度で予測できることを示した.