2021 年 77 巻 2 号 p. I_301-I_306
河川工事は10月~5月の非出水期に行われることが多いが,豪雪地帯では3~5月に融雪に伴う出水が発生する.出水に伴い重機や資機材などを避難,養生する場合,半日程度の時間を要することがあるため,施工時は翌日の水位や出水の有無を把握することが安全管理上必要となる.本稿では融雪に関係する気象分布画像を用いて融雪時期の1日先の日最大水位を深層学習により予測する手法を検討した.4河川を対象に6項目の気象分布画像および予測地点の水位を用いて日最大水位を予測したところ1項目だけでなく6項目全ての気象分布画像を用いることで実際は出水しているが予測結果は出水していない「見逃し」が低減することを確認した.本手法は融雪時期の河川工事において安全管理に寄与するものと考える.