2021 年 77 巻 2 号 p. I_625-I_630
混合粒径河床における土砂輸送問題では交換層の概念が適用されてきたが,空隙率と交換層厚の問題が未解決である.本研究では,個別の粒子の運動を解く個別要素法では交換層が問題とならないことに着目し,オイラー型土砂堆積モデルを検討した.まず,個別要素法に用いられる粒子の基礎方程式を空間平均し,土砂粒子の河床堆積条件から利用可能空隙率を定義することで,堆積高と粒子の存在率の時間変化式を導出し,従来の交換層モデルと比較した.また,静的条件における混合粒径土砂堆積実験を行い,粗い粒径と細かな粒径の割合によって堆積過程が異なることを明らかにした.そして,混合粒径土砂の堆積過程実験にオイラー型土砂堆積モデルの適用性と課題を明らかにした.