2021 年 77 巻 2 号 p. I_631-I_636
山地河川の河床材料は幅広い粒径で構成され,大きさ1m程度の巨石群の移動は,流れの抵抗・土砂移動に大きく影響を及ぼす.また巨石の移動は,山地河川で形成されている瀬・淵等の安定を評価する際にも重要となる.本研究では,滝山川温井ダム上流河道における洪水前後の巨石,砂礫の存在状況を観測データに基づき分析し,洪水流による巨石の移動を検討している.さらに,この観測結果に対して,詳細地形測量データと観測水面形に基づくQ3D-FEBSによる準三次元洪水流解析を用いて,移動した巨石に作用した流体力等の解析結果と現地データを比較し,巨石の移動の解析法について考察し,課題を示している.