2021 年 77 巻 2 号 p. I_67-I_72
本研究の目的は,異常洪水時防災操作におけるダムの流入量,貯水位,放流量の予測手法の提案である.近年,全国的に頻発している大洪水の被災状況を踏まえ,効果的なダムの操作に生かされる貯水位,放流量の予測が重要となっている.本研究では,少ない情報からデータ間の関係性を特定することが可能なスパースモデリング手法の一つであるElastic Netを使用し,過去に異常洪水時防災操作事例のあるダムを対象に,流入量の予測を行った.次に,予測した流入量から,操作規則に基づく貯水位及び放流量の予測を行った.さらに,そこで予測した放流量は,下流河川の水位予測に有用であることが示された.このことから,事前放流の判断や放流の下流域への影響を認識する上で,提案した手法が活用できるものと考える.