2021 年 77 巻 2 号 p. I_673-I_678
河口砂州周辺では,砂州の地形変形要素として風,河川流,波浪,潮汐等が存在し,土砂水理特性は複雑である.また,短期間で洪水によるフラッシュと沿岸流による再形成が生じるため,河口砂州管理においては,短期的かつ動的に地形が変化する中で効率的・効果的な管理手法を確立する必要がある.本研究では,相模川河口砂州周辺の土砂移動現象を明らかにし,河口砂州管理について考察した.近年,フラッシュが生じた複数の洪水に着目し,測量成果や準三次元不定流-平面二次元河床変動解析等によりフラッシュ前,直後,その後の再形成過程の土砂動態や収支を把握した.また,複数の対策河道を設定し,洪水規模と掘削幅等の組み合わせによるフラッシュ特性,土砂移動量,水位低減効果等の関係を分析した.更に,対策河道に対して三次元海浜変形解析を行いフラッシュ後の再形成と河口砂州管理について考察した.