2021 年 77 巻 2 号 p. I_679-I_684
河道内流木対策施設の効率的な設計の実施に向けて,流木の流下・堆積過程を説明できる流木解析法が求められている.本研究では,著者らが開発した既往の流木解析法(流体解析に1次風上差分を適用)に加え,流体解析に3次風上差分と乱流モデルを組み込んだ2つの新たな3次元流木解析法を提案した.これら解析法の検証のために,流木捕捉施設を有する模型を用いた流木流下・堆積に関する基礎実験を実施した.3つの解析法を本実験に適用し,実験値と比較することで,それぞれの特徴,再現能力と課題について整理した.その結果,流体解析に3次風上差分を採用した解析法が,本実験の渦を伴う流況,流木の流下・堆積過程,水位上昇量,及び堆積割合について再現性を有することが明らかとなった.