2021 年 77 巻 2 号 p. I_847-I_852
直線開水路の側壁部に作られた長方形キャビティ内の流れの構造を流速計測法と流れの可視化法を用いて検討した.キャビティ内は相対的に低速となり,鉛直方向を軸とする互いに反対方向の大規模な循環流と小規模な循環流が形成される.キャビティと開水路の境界には,水平方向レイノルズ応力(-uw)が大きい領域が形成される.本実験の条件下では,その最大値は水面下に存在し,その大きさは開水路側壁付近のそれに比べて3倍の値となる.開水路とキャビティの境界領域には,上流の側壁上に形成された縦渦構造群が安定して流下する.この縦渦構造群は流下に伴なって発達し,その流体運動によってキャビティ内の循環流や開水路との境界における高レイノルズ応力領域の形成に重要な役割を果たす.