土木学会論文集B1(水工学)
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ISSN-L : 2185-467X
和文論文
複数のバイアス補正を適用したd4PDFによるチャオプラヤ川の極値流量の将来変化予測
加藤 大輔篠原 瑞生加藤 雅也坪木 和久田中 智大立川 康人
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2022 年 78 巻 1 号 p. 35-47

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抄録

 タイ国チャオプラヤ川流域を対象に流域特性に対応した降雨流出モデルを構築し,バイアス補正を施したd4PDFの降雨データを入力し極値流量の将来変化を予測した.まず,降雨流出モデルが複数の既往洪水を再現すること,モデル算出値に基づくC.2ステーションの年最大流量の確率分布が,ピーク流量4,000m3/s以上で流量観測値と整合することを確認した.次に,d4PDFの月降水量に対して3種類のバイアス補正手法を適用し,年最大流量と氾濫に影響する2,000m3/s超過積算量の将来変化を分析した.その結果,再現期間100年に相当するそれらの過去実験と4℃上昇実験との変化率はそれぞれ1.55~1.63倍,2.23~2.27倍となった.複数のバイアス補正手法を用いることで手法の違いによる不確実性を考慮し,より信頼性の高い結果を得ることができた.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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