2022 年 78 巻 2 号 p. I_205-I_210
本研究の目的は,アイスジャム発生前に現れる解氷時期の推定手法の開発である.解氷時期に氷板厚が減少するため,氷板厚の計算式の精度向上を試みた.積雪・融雪・降雨を考慮した氷板厚計算式は,計算値の精度が高いことを示し,支配的なパラメーターは計算上の最小水温であることが分かった.解氷時期を推定する指標として,氷板厚の変動加速度PBを提案した.6つの入力値を用いる実用的な解氷時期推定手法を開発した.本手法は,アイスジャム発生付近でPBのピークが現れており,安全側で解氷時期を推定した.本手法においては,全面結氷時の氷板厚も重要なパラメーターであることが分かった.