2022 年 78 巻 2 号 p. I_283-I_288
近年台風や集中豪雨等の気象擾乱激甚化に伴い,河川の洪水被害が増加し,橋梁の流出被害が続いている.流出した橋梁の被害分析と被害予測から,橋梁流出への抜本的な対策検討が必須の状況である.本研究は,洪水時における橋梁周辺の流況,浸水橋梁の流出メカニズムを解明することを目的として,令和2年7月豪雨で流出被害を受けた橋梁を対象に,河道形状,河床地形,橋梁構造をモデル化した3次元流体解析により,橋梁に作用する流体力および周囲の流速分布を推定し,流出被害の分析を行った.3次元橋梁モデルに作用する流体力と周囲の流速分布の特徴から,橋梁流出のメカニズムは概ね推定できた.