2022 年 78 巻 2 号 p. I_289-I_294
近年各地で異常豪雨に伴う河川災害が頻発し,山地崩壊等で流出した流木群によって被害を増大させている.流木対策の多くは渓流砂防として実施されているが,今後豪雨外力の増大により,扇状地河道においても効率的に流木を除去することは防災上重要である.河川区域を対象とした明確な設計基準やガイドラインは設定されていないため,河川湾曲部に設置する流木捕捉施設の流入部の形状を効率的に設計することを念頭に,流木追跡モデルを曲率の異なる湾曲水路に適用し,流木の捕捉機能の効果を検討した.その結果,河道曲率に応じた流入部形状と捕捉率の関係を明らかにし効率的な施設設計が可能になった.