2022 年 78 巻 2 号 p. I_577-I_582
開水路の水理は,エネルギー勾配Ieに集約され,Ieはvとhの一対の組み合わせが既知である時に決定できる.従来は運動の式と連続の式の連立から理論的に算定されてきたが,このような理論的に算定されたvとhに基づくIeが実際の水理のIeと合致する保証はない.実測の流水深hを既知としてvを算定できれば,実際の水理に合致するIeが得られたこととなる.そこで本研究では,実測された流水深をマスコンモデルに与え,交互砂州上における平面二次元の流速を推定する手法を提案した.その結果,マスコンモデルにより適切な補正流速が算出されることを確認し,レーザードップラー流速計を用いた流速の計測結果と一致することを確認した.