2022 年 78 巻 2 号 p. I_799-I_804
近年,洪水破堤氾濫に伴う巨大水害が多発している.大規模浸水が発生した場合,その被害評価には氾濫解析が有益なツールとなる.都市の中には建物などが存在し,その建物の影響を受けて浸水は拡がることから,氾濫解析における建物の影響を適切に評価する必要がある.本研究では,2019年に生じた千曲川の破堤氾濫を対象に,氾濫解析の結果と実績値(浸水域と実績水位,画像から得た水位の時間変化)の比較から,解析モデルの精度評価を行った.さらに,破堤箇所近傍を対象に,2m格子を用いて建物を表現し,建物の有無による計算結果の比較から,氾濫解析における建物考慮の重要性を改めて示した.