2022 年 78 巻 2 号 p. I_853-I_858
河道内樹木群の密生度や樹高などは,水理解析に必要な基礎情報であるものの,長大な河川を対象とした場合には,その取得に多大な労力を要するため,リモートセンシング技術による情報取得の効率化が期待される.そこで,本研究ではマダケ,ハチク,モウソウチクの3種の竹林を対象に,UAVの空撮画像への LMF(local maximum filtering)の適用による稈1本ごとの樹頂点の抽出と,それに基づく密生度の推定を試みた.最も精度の高い推定結果に注目すると,竹林の密生度は,全ての種で10%ほど過少ではあるが,比較的高い精度で現地に繁茂する竹林の状況を捉えることができた.また,推定精度はLMFのパラメータであるWS(Window Size)に依存するため,その適切な設定が重要であることを認めた.