2022 年 78 巻 2 号 p. I_91-I_96
本研究は,多雪地域である北海道において,気候変動の不確実性に基づき,降雨と融雪を考慮した通年の斜面災害危険度の推定を目的とする.対象とした中山峠,日勝峠は北海道の交通の要所となっており,斜面災害などによる通行止めが発生した場合は物流などに甚大な影響が及ぶ.本研究では,中山峠,日勝峠における斜面災害危険度の推定のため,d4PDFの降雨と気温のアンサンブルデータを使用した.対象地域の地形・地質・地盤条件に加え,降雨・融雪といった水文条件を考慮し,d4PDFに適切な補正を行うことで実態に近い危険度評価を行った.結果として,気候変動の影響による水文環境の変化により斜面災害の発生頻度が大幅に増加し,地域特性に応じて積雪・融雪期の増加が顕著な個所と,夏期の増加が顕著な個所のあることが示された.