2022 年 78 巻 2 号 p. I_943-I_948
河川内のゴミの挙動を理解するためには,ゴミの生産-流出-漂着-再流出の輸送過程を把握することが重要であるが,これまでは流出量あるいは漂流量,回収量の観点での調査解析が多い.本研究では,近年水質の改善は進むものの,ゴミの堆積・散乱が課題として残る大和川において,河川敷におけるゴミの漂着実態を把握するため,既存河川巡視データを整理するともに,高水敷ゴミの現地調査を実施した.巡視データは河口から5.0kより下流に漂着ゴミが多く,土砂の堆積特性と似ていることを示している.現地調査では1m四方,7地点,計31サンプルの人工系ゴミを回収し,重量・個数,被覆率を計測し,それらの関係を整理した.大和川河川敷に漂着しているゴミの被覆率1%あたりの重量は約30g/m²,短辺5cm以上のゴミ1個あたりの重量は約12gと推定された.